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信頼関係が築ける話の聴き方

人の話を聴くというのは、簡単なことだと思っていたり、そんな重要なことではないと思っている人もいるんじゃないでしょうか。

あなどってはいけません。聴くという行為は、人と信頼関係を築くうえでとても重要なことですし、話した相手はそれだけで悩みが解消されるなんてことがあります。

しかし、ただ聞けばいいというものではありません。コツがあります。

今回はその話を聴くコツを紹介していきます。

信頼関係を築ける聴き方

聴き方で「共感して聴く」か「同感して聴く」かの違いがあります。

「共感」「同感」どちらが人の話を聴くのに適していると思いますか?

答えは「共感」です。

まず、それぞれの言葉の意味を見ていきましょう。

共感

他人の意見や感情などにそのとおりだと感じること。また、その気持ち。

参考:goo辞書

同感

同じように感じること。その意見や考えに賛成であること。また、そのような意見や考え。

参考:goo辞書

辞書ではこのように意味を定義されています。

なかなか違いがわからないかもしれません。

ぼくが考える違いは、焦点がどこに当たっているかです。

共感の場合の焦点は「他人の意見や感情」です。

一方同感の場合は「自分の意見や考え」です。

例えば子どもが「逆上がりができなくて悩んでいる」と相談してきたとします。

このとき共感で相手の感情に焦点が当たっていると、

「逆上がりができなくて悩んでいるんだね」「できなくて困っているんだね」「できなくて辛いんだね」のような返答になります。

同感で自分の意見や考えに焦点があたっていると、

「ぼくも昔できなかったよ」「こうすればできるようになるよ」「努力が足りないんじゃない?」のような返答になります。

共感は「あなたはそう思うんだね」のように聴きます。

同感は「私も一緒でそう思う」や「ぼくはこう思う」のように聴きます。

このように共感と同感は似てるようでまったく違う聴き方になります。

共感で聴くと、話している人は「わかってもらえている」「聴いてくれている」と信頼感や安心感を覚えます。

また聴いてもらっている人は、自分のことだけを深く考えることができるので、自分の力だけで悩みを解決できることもあります。

また同感で聴いた場合、賛成か反対かの意味合いが返答のなかに含まれます

人は相手の期待に無意識にも応えようとしてしまいます。

同感で相談を聴くと、もはや相手の本音は聴けません。

相手は自分の期待に応えようとした、嘘ばかりしか話さないかもしれません。

また聴いてくれないと感じて、話したくなくなるかもしれません。

悩みを聴く場合は、共感で「あなたはそう思うのですね」と聴いてください。

間違った聴き方の弊害

同感で間違った聴き方をすると弊害が生まれてしまいます。その弊害を見ていきましょう。

会話泥棒による不信感

同感で聞く人でよくあることは、会話泥棒です。

「それわかるー!、ぼくはこうで、こうで、こうなんだよねー!」と、人の話だったのに、いつの間にか自分の話にすり替える人がいます。

これが会話泥棒です。

これでは、一向に人の話を聴くことはできません。

会話を奪われた人は話したかったのに話せず、フラストレーションが溜まります。

不信感は生まれても、信頼感は生まれないですよね。

STOP!会話泥棒!

自立する力を奪う

同感で聞くということは、先ほども書いたように、返答に賛否が含まれることやアドバイスを言うことが多くなります。

もし相談してきた相手に対して、同感で答えやアドバイスで答えたとします。

相談者にとっては、聞けば答えが返ってくることになります。

相談者はまったく考える必要がなくなります。

もし相談者が子どもや部下だった場合、考えなくて済むため、思考力は成長しない、決断力も成長しない、依存される・・・こんなことになってしまう可能性があります。

自分で考えて動かないと嘆いている人はもしかしたら、自分の聴き方のせいかもしれません。

同感で聞いてしまうと、相手が自分で考えなければならないことを、自分が奪うことになります。

相手の課題を奪う・・・相手の宿題を解くスピードが遅いから、代わりに自分でやってしまうようなものです。

同感で話を聴くと決断する力や考える力の成長の妨げになるばかりか、依存されることになりかなません。

相手のためを思うなら、共感で聴き、相手の課題は相手に任せましょう。

STOP!課題泥棒!

まとめ

共感で聴くということは、なかなか大変です。

ぼくは話を聴いていると、アドバイスしたい欲がめちゃくちゃでてきます。

それを抑えるのが大変なことがあります。

きっとでこれも自分の成長につながるはずです。

がんばります。