あなたは頼み事が苦手ですか?
たぶん苦手って人多いんじゃないでしょうか。ぼくも苦手です。でも前よりはだいぶマシになりました。
マシになったのは、どんな頼み方が良くて、どんな頼み方が悪いかわかったからです。
なにより頼むことでより仲良くなれることがわかったのが大きいです。
そんな頼み方について書いていきます。
頼み事が苦手な人がほとんど
頼み事が苦手だという人はたくさんいます。というかほとんどの人が苦手だと思っています。
それは頼み事を断られたときに痛みを伴うからです。この痛みを味わうのが嫌なんです。
実際に肉体的な痛みを伴うわけではありません。しかし身体の痛みを処理する方法と同じ方法で断られた心の痛みを処理しているため、肉体的痛みと同等の痛みを味わってしまいます。
これだと頼み事を躊躇するのもうなずけます。
頼み事をするためにめちゃくちゃな勇気が必要になります。
大変な思いをしてまでも自分ひとりでやったほうがいいじゃないかとまで思うこともあります。
ただ助けてもらったほうがうまくいくことが多いし、仲良くなれるんなら頼ったほうがいいですよね。
実際頼んでみると、断られるかなという予想に反して、快くOKしてくれることがほとんどです。
コーネル大学のバレッサ・ボーンズ教授の実験では、「頼み事の成功率を約48%も低く見積もっている」という実験結果もでているほどです。
人は断られるかもと思いがちみたいです。
勇気を出して人を頼ってみましょう。
頼み事をして仲良くなれる理由
先ほど頼み事をして仲良くなれると書きましたが、それは頼みに応じて助けた方が、助けられた側に好意を抱くからです。
これには認知的不協和という心理が生じています。
認知的不協和とは、実際の現状と認知に矛盾が生じているときに、この矛盾を解消しようとする心理作用です。
例えば、A車とB車どちらを購入するかで悩んでいたとします。悩んだ末にA車を購入しました。しかし購入したあとで、A車よりもB車が良いとB車が絶賛されている記事を見つけてしまいました。
このとき、A車のほうがいいと思って購入した現状と、A車よりもB車が良いという現状で矛盾が生じます。
記事を信じて、B車に買い替えることは現実的ではありません。しかし、どうにかして矛盾を解消しなくては気分がよくありません。
そこで、記事を書いた人は信用ならないとかの理由を付けてA車のほうが良いというふうに認知を変えてしまうのです。
これが認知的不協和という心理作用です。
では認知的不協和が頼み事をしたときにどう働くのかです。
助けるという行為は基本的には、好意を持っている人に対してするものです。
そのため実際に助けるという行為をした場合、助けた側は助けられた側に好意的に思わなければ、認知的に矛盾が生じてしまいます。
そこで、助けたという事実は変えようがないため、好意を抱くという認知になる訳です。
頼み事をしたら嫌な思いをされるという心配は実はほとんどしなくてもいいんです。
ただ、どんな頼み方でもいいという訳ではありません。次からはどういう頼み方がいいのか、どんな頼み方をしてはいけないかを書いてきます。
仲良くなれる頼み方
仲良くなれる頼み方で、少しやっかいなことがあります。
それは、こうすればいいというだけでなく、してはいけないことを守らなければならないということです。
まずはしてはいけないことについて書いていきます。
頼むときにしてはいけないこと
頼み事をするときにしてはいけないことは「内発的動機付けを奪うこと」です。
つまり、助ける側が助けたいと思うことと、助ける側がコントロールできていると思うことが重要なんです。
これを実現するためにしてはいけないことを列挙します。
言い訳をする
「本当は君に頼むつもりはなかったんだけど」「普段ならあなたには頼まないんだけど」「頼むほどのものじゃないんだけど」・・・
じゃー頼むな!ってなりますよね。
やたらと謝る
謝られ過ぎたら、やらなければならないと感じてしまいます。
そうするとコントロールされてると感じてしまいます。
メリットを強調する
あなたにとってメリットがあるからやってくれない?と頼まれると「助けたいという内発的動機付け」が失われてしまいます。
実際メリットを強調して頼まれたときに、了承したんですけど、やる気が全然続かなくて本当に断ればよかったと思ったことがあります。
頼みを些細なもののように言う
些細な頼みなら自分でやれば?と思うし、後で書く「有効性」がなくなってしまい。助けたいと思わなくなってしまいます。
借りを思い出させる
これはもはや脅しみたいなもんです。
コントロールされている感が半端ないですよね。
報酬を与える
これも報酬があったらやらなければならなくなり、助けたいではなくなってしまいます。
このほかにも監視や脅威、期限、プレッシャーの類はやめたほうがいいです。
いろいろとやめたほうがいいことを書きましたが、これら全て網羅して実施してしまっている人はいないと思います。
あなたはどの「してはいけないこと」をしていましたか?
それだけ治すように心がけましょう。
良い頼み方
良い頼み方で重要なことは3つです。
- 仲間意識
- 自尊心を刺激
- 有効性を感じさせる
仲間意識
仲間は助けるもんだってなんとなく思ってませんか。
まー実際仲間だと助けてって言いやすいし、助けてくれますよね。
この仲間意識をうまく利用するといいのですが、3つのやり方があります。
1つ目は「一緒に」という言葉を使うということです。少しありきたりな感じがするかもしれませんが、強い動機付けになるので使ってみてください。
2つ目は「共通の目標に目を向ける」ことです。会社などで同じ目標を持ってがんばっているときなどは、頼みが聞いてもらいやすくのはわかると思います。
3つ目は「共通の敵を見つける」ことです。これは言わずもがなって感じですよね。
自尊心を刺激
これは「あなたにしかできない」と思ってもらえたら最高です。自分にしかできないんだと感じた人は自尊心が満たされますし、がんばろうと思います。
きっとで一生懸命助けてくれると思います。
また、これは助けられたあとの対応も重要になります。
助けられたあとに、「あなたがどれだけ助かったか」を伝えるよりも「助けてくれた人にとても親切な人だ」と伝えてください。
このように他者称賛することで、助けてくれた人の自尊心を大きく満たすことができます。
有効性を感じさせる
最後は有効性についてです。上記2つはどちらかが満たされれば大丈夫ですが、この有効性を感じさせるというのは絶対なので覚えておいてください。
有効性を感じさせるためには、助けたことで結果どうなるのかということをしっかり知ってもらうことが必要です。
これができると助けることに意味を見出すことができるため、積極的に助けてくれます。
少し話は大きくなりますが、人は幸せを追い求めることよりも「自分の有効性を感じること」を優先します。
スポーツ選手などは、有効性を感じるために辛い練習に耐えることができるんです。
有効性を感じることはとても強い欲求であるため、頼み事をするうえで必須です。
また、助けてもらったあとも有効性を満たすことが必要です。
実際に結果がどうなったのかフォローアップするんです。
そうするこで、助けた側は有効性を感じ、そのあとも長期的に助けてくれるようになります。
まとめ
頼み事をすると助けた側が助けられた側に好意を抱くため、結果仲良くなれる。
頼むのは苦手と思うかもしれないが、想像以上に助けてくれる人は多いし、ほとんどの人は助けたいと思っている。
良い頼み方とは、以下のことを実施する頼み方である。
- 内発的動機付けを奪わない
- 仲間意識を持ってもらう
- 自尊心を刺激する
- 有効性を感じさせる
以上どうでしたか?いきなり全部やろうとすると、どうしていいかわからなくなると思うので、少しずつ実施していければいいんじゃないかと思います。
ではでは
<参考資料> 人に頼む技術 ハイディ・グラント著